Overcastは、iOSとiPadOSで長年私のお気に入りのポッドキャストプレーヤーでした。その美しくシンプルなユーザーインターフェースと優れたオーディオエンジンが魅力です。本日、開発者のMarco Arment氏がOvercastの10周年を記念し、ユーザーインターフェースを根本から作り直した新バージョンをリリースしました。

アプリのメイン画面からプレイリストやポッドキャストのページ、番組ノート、チャプター、検索まで、この新しいバージョンのOvercastは、見た目も完全にモダンで、操作性も向上しています。しかし同時に、アプリは本来の姿に忠実であり、長年のユーザーを混乱させるような劇的な外観の変更はなく、馴染みのある外観を維持しています。

アプリの刷新されたプレーヤーは、今回の刷新で私が最も気に入っている点かもしれません。アプリの代表的なオーディオ機能であるVoice BoostとSmart Speedはそのままに、プレーヤーのセクションが再編成され、全体的なレイアウトがより明確になりました。チャプターは独立したビューに移動され、各行のスペースが広くなったため、長いチャプタータイトルも表示できるようになりました。一方、エピソードノートは、画面下部にあるプレーヤーコントロールから切り替えて閲覧できます。

新しいプレーヤーには、使い勝手を大幅に向上させる大きな機能が追加されました。チャプターをスキップしたり、エピソードをシークしたりする際に、ポッドキャストのアートワークの上に「戻る」ボタンが短時間表示されるようになりました。このボタンをタップすると、すぐに前の場所に戻ります。これは、プレーヤー画面内で誤ってタップしてしまった場合の「元に戻す」機能です。（iPhoneのロック画面で誤ってプレーヤーをスクラブしてしまった場合でも、アプリをすぐに開いて戻ることができます。）ポッドキャストプレーヤーにこの機能が必要だとは、今まで気づきませんでした。

iOSに加え、OvercastはiPadOSでも素晴らしい機能を発揮します。iPadの広い画面を最大限に活用し、他のiPadアプリにもぜひ取り入れてほしい、3ペインレイアウトを採用しています。メイン画面は左端のペイン、中央のセクションはポッドキャストページなどのサブセクション、そしてプレーヤーは右側に配置されています。この左から右への階層的なレイアウトは、約14年前にiPad向けにリリースされた公式Twitterアプリを彷彿とさせます。

今回のリリースにより、Overcastはポッドキャストのエピソードをストリーミングできなくなりました。代わりに、エピソードを聴く前にダウンロードする必要があります。新しいバージョンのアプリを使った経験では、これは私にとって特に問題ではありませんでした。ほとんどの場合、Overcastがエピソードのダウンロードを完了するまで数秒待つだけで、完了すると自動的に再生が始まります。

ダウンロードしたエピソードを自動的に削除するオプション（完了時または完了後 24 時間後）と組み合わせると、以前にポッドキャストをストリーミングすることを選択したユーザーにとっても、この変更は目立たないと思います。

プレイリスト内でポッドキャストを並べ替えるための優先ルールを作成できる機能以外に、今回のリリースには目立った新機能はありません。また、Apple Podcastsに最近導入されたトランスクリプト機能が一部のリスナー（私自身も含め）の注目を集めていることから、アプリに新機能が追加される余地は十分にあります。とはいえ、Overcastが新たな基盤を獲得し、近い将来に進化を続けていくことを期待しています。

これは私のお気に入りのポッドキャスト プレーヤーにとって、エキサイティングな新たなスタートです。

OvercastはApp Storeから無料でダウンロードできます。年間9.99ドルでOvercastプレミアムに加入すると、アプリの再生画面からバナー広告が削除され、ユーザーが独自のオーディオファイルをアップロードして聴くことができるようになります。