WWDCで、当時の新型Mac Proをじっと見つめていたのを覚えています。透明なチューブの中に展示されていて、初代iPhoneとよく似ていました。そのデザインは、当時もそれ以降も市場に出回っていたどの製品とも似ていませんでした。あれは2013年のことでした。Mac Proは2013年のクリスマス直前に出荷されましたが、それ以来アップデートされていません。

年月が経つにつれ、プロユーザーはMac Proへの愛着を失っていきました。他のプロ向けPCシステムに比べてアップグレード性が低く、内部構造もすぐに老朽化が目立ち始めました。Mac Proへの幻滅感は、Appleがプロユーザー市場を本当に重視しているのかという憶測へと発展しました。

Appleは本日、その疑問に答えました。モジュール式でアップグレード性に優れた新しいMac Proが開発中です。ジョン・グルーバーがDaring Fireballで解説しているように、Appleは以下の製品に取り組んでいます。

「完全に再考された」Mac Pro。ハイエンドCPUと大型で高温になるGPUを搭載できるモジュラー設計で、Appleが新しいコンポーネントを定期的にアップデートしやすくなるはずだ。

Appleは、新型Mac Proに合わせて、プロ仕様のディスプレイを開発しています。残念ながら、新型Mac Proとディスプレイは2017年には出荷されず、発売日もまだ発表されていません。一方で、Appleは既存のMac Proの速度向上に取り組んでいます。

2,999ドルモデルでは、Xeon CPUコアが4基から6基に、AMD G300 GPUがデュアルG500 GPUにアップグレードされます。3,999ドルモデルでは、CPUコアが6基から8基に、D500 GPUがデュアルD800 GPUにアップグレードされます。

AppleはDaring Fireballと他の4人の記者に対し、Mac Proに加え、プロユーザーを念頭に設計された新型iMacを今年出荷する予定であると語った。

では、何が問題だったのでしょうか？なぜMac Proはこれほど長い間アップデートされなかったのでしょうか？ソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントのクレイグ・フェデリギ氏は、TechCrunchのマシュー・パンザリーノ氏と同席していた他の記者たちにこう語りました。

今日こうして話をしている理由の一つは、Mac Pro ― 現行モデルを発表したばかりですが ― で、何か大胆で他とは違うことをやりたかった、というところにあると言っても過言ではないでしょう」とフェデリギは言います。「振り返ってみると、Mac Proは私たちがターゲットとしていた一部の層には合わなかったと思います。確かに一部の人には良い製品です。驚くほど静かで、美しいマシンです。しかし、Mac Proで私たちがリーチしたいあらゆる顧客層に対応しているわけではありません。

Appleと5人のライターとの議論は、幅広い分野に及んだ。新型Macについての話に加え、フェデリギ氏はAppleがMac miniに注力していること、そしてmacOSにおけるスクリプトと自動化はAppleにとって依然として「非常に重要」であると述べた。また、Mac市場の80%をノートブックが占め、プロ市場がMacユーザーベースの約30%を占めていることも明らかになった。

ここ数ヶ月、プロMacユーザーからの不満が高まっている中、Appleがプロ市場に対して真正面から取り組み、Mac Proで何が起きたのかを説明してくれたのは喜ばしい。新型Mac Proの発売がまだ数ヶ月先なのは残念だが、Appleが取材したライターたちに示してくれた率直な説明の広さと深さは、プロユーザーにとって安心材料となり、新しいハードウェアの購入をもう少し待つことができるだろう。今後の鍵となるのは、Appleがプロ市場向けの計画を実行できるかどうかだ。